パーソナルトレーナーの業務委託ってどういう働き方なのでしょうか?
本記事では、現役パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)である筆者が、パーソナルトレーナーの業務委託について詳しく解説しました。
この記事でわかること
- パーソナルトレーナーの業務委託とは?
- 業務委託のメリット・デメリット
- 業務委託の年収の相場
- 業務委託がおすすめな人
- 業務委託って副業でできるの?
本記事を読めば、パーソナルトレーナーの業務委託に関する全体像を理解してもらえると思います。ぜひ参考にしてみてください。
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パーソナルトレーナーの業務委託とは?
パーソナルトレーナーの業務委託とは、個人事業主としてパーソナルジムやフィットネスクラブと業務委託契約を結んで、パーソナルトレーナーとして働くことを言います。
正社員やアルバイトは、企業から直接雇用されて(雇用契約を結んで)、現場の責任者から直接指揮を受けて業務を行います。一方で、業務委託では、企業から直接雇用されるのではなく、企業から業務を請け負って(業務委託契約を結んで)働くという違いがあります。
業務委託のパーソナルトレーナーは、業務委託契約に従って、基本的にはお客様とのパーソナルトレーニングのみを行います。パーソナルジムの運営に関わることはありません。
業務委託のパーソナルトレーナーになる方法
業務委託のパーソナルトレーナーになるには、大きく次の2つの方法があります。
- 企業の求人に直接応募する
- 企業からオファーを受ける
ほとんどの場合は、パーソナルジムやフィットネスクラブが出している業務委託の求人を探して応募し、採用されれば業務委託のパーソナルトレーナーになれます。
経験や実績が豊富なパーソナルトレーナーであれば、企業側から業務委託のオファーを受ける場合もあります。
パーソナルトレーナー業務委託のメリット
パーソナルトレーナーの業務委託のメリットは、次の5つです。
- 働く時間を自分で決められる
- 給料が歩合制だから、時給よりも稼ぎやすい
- セッションだけに集中できる
- 固定費がかからない
- 複数のジムで活動できる
それぞれ解説していきます。
メリット①:働く時間を自分で決められる
パーソナルトレーナーの業務委託では、働く時間を自分で決められます。
なぜなら、業務委託では、正社員の雇用契約のように勤務時間が固定されておらず、お客様とのセッション(トレーニング)に合わせて出勤すればいいからです。
基本的に、セッションを行う時間は、契約する企業と相談のうえで決めることができます。
たとえば、働く時間は平日の10〜17時だけにして、それ以外の時間にセッションは入れない、という調整も可能です。お客様には、トレーナーの出勤時間に合わせて、予約をしてもらうように相談もできます。
ただし、お客様の時間の都合が合わなければ、当然ながらその方のセッションは担当することができません。
メリット②:給料が歩合制だから稼ぎやすい
パーソナルトレーナーの業務委託の給料は、セッション数や物販の成績に応じてもらえる歩合制なので、頑張ったぶんだけ稼ぐことができます。
パーソナルジムの社員だと、毎月の給料は給与体系によって決まっています。一部、歩合制を導入しているところもありますが、基本的に大きく稼ぐことは難しいです。
時給のアルバイトも同じく、時給以上に大きく稼ぐことはできません。
一方で業務委託では、多くの場合、セッション料金からパーソナルジムが手数料を引いた分が、パーソナルトレーナーの給料になるので、セッション数を多くこなせば、より稼ぎやすい給与構造になっています。
メリット③:セッションだけに集中できる
パーソナルトレーナーの業務委託は、お客様とのセッション(トレーニング)だけを請け負います。
施設の運営や集客などの大変なことは、パーソナルジム側がやってくれるので、業務委託パーソナルトレーナーは自分のお客様のセッションにだけ集中することができます。
メリット④:固定費がかからない
パーソナルトレーナーの業務委託なら、パーソナルジムの運営にかかる固定費が必要はありません。
固定費のリスクを負わずに、パーソナルトレーナーとして身軽に働くことができます。
メリット⑤:複数のジムで活動できる
パーソナルトレーナーの業務委託では、複数のパーソナルジムやフィットネスクラブと契約することが可能です。
複数のパーソナルジムとの業務委託契約はリスク分散になります。たとえば、一方のパーソナルジムで集客がうまくいかなくなっても、もう一方のパーソナルジムでお客様が取れれば、収入が減る心配は少なくなります。
パーソナルトレーナー業務委託のデメリット
パーソナルトレーナーの業務委託のデメリットは、次4つです。
- 能力やスキルがないと収入が安定しない
- セッション料金は契約するジムの規定に縛られる
- 手数料が引かれる
- 企業で保険に加入できない
それぞれ解説していきます。
デメリット①:能力やスキルがないと収入が安定しない
パーソナルトレーナーの業務委託では、セッション数に応じて給料が支払われます。なので、お客様から指名やリピートが得られず、セッション数が少なくなると、給料が少なくなるリスクがあります。
お客様から指名やリピートを得るには、パーソナルトレーナーとして能力やスキル、実績などが必要です。
このように能力やスキルがないと、業務委託パーソナルトレーナーとして収入は安定しにくいです。
デメリット②:セッション料金は契約するジムの規定に縛られる
パーソナルトレーナーの業務委託の給料は、セッション料金をベースに計算します。
セッション料金はパーソナルジムの規定で決まっているので、セッション料金を超えて稼ぐことはできません。
一方で、フリーランスとして自分で集客をすれば、セッション料金を自分で設定できるので、実力次第では大きく稼げるのが違いです。
このように契約するパーソナルジムの規定に縛られるのは、実力のあるパーソナルトレーナーにとってはデメリットになり得ます。
デメリット③:手数料が引かれる
パーソナルトレーナーの業務委託の給料は、セッション料金からパーソナルジムが手数料を引いた金額になります。
一方で、フリーランスのパーソナルトレーナーは、自分で集客すればセッション料金はすべて自分の売上になるので、その点に違いがあります。
とはいえ、手数料が引かれる分、パーソナルジム施設を使えて、集客もパーソナルジム側がやってくれるというメリットが得られるわけです。
デメリット④:企業で保険に加入できない
業務委託契約は雇用契約とは異なるので、契約している企業で社会保険や失業保険、労災保険に加入することができません。
業務委託契約は個人事業主として締結するので、必要な保険には全て自分で加入する必要があります。
パーソナルトレーナー業務委託の年収の相場は?
パーソナルトレーナーの業務委託の年収について、正確な公式情報はありません。様々な情報や筆者の経験から推測すると、おそらく年収400~600万円あたりが相場ではないかと思います。
幅は広く、年収300万円代の業務委託パーソナルトレーナーもいれば、年収1,000万円を稼ぐ業務委託パーソナルトレーナーもいます。
具体的に、どれくらいの年収を稼げるのかシュミレーションしてみます。
業務委託の給料は多くの場合、「セッション料金-パーソナルジムの手数料」で決まります。それぞれの相場は次のとおりです。
- セッション料金の相場:約7,000円/1時間
- パーソナルジム手数料の相場:10~20%
手数料20%で計算すると、業務委託パーソナルトレーナーのセッション1時間あたりの給料は5,600円(7,000円の20%)です。
仮に1日5名(5時間)のお客様を、月20日(週5日×4週)担当したとすると月収は56万円(5,600円×5名×20日)になります。
年収に換算すると672万円(月収56万円×12か月)です。
このように安定してお客様を獲得できれば、悪くない年収を稼ぐことができます。
パーソナルトレーナーの年収・給料では、業務委託だけでなく、パーソナルジム正社員や独立開業の年収についても解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
業務委託パーソナルトレーナーがおすすめの人
業務委託パーソナルトレーナーがおすすめなのは、次のような人です。
- 働く時間を自分で決めたい人
- 能力やスキルに自信があって、しっかり稼ぎたい人
- お客様とのセッションにだけ集中したい人
おすすめな人①:働く時間を自分で決めたい人
パーソナルトレーナーの業務委託は、仕事の時間を自分で決めて、フレキシブルに働きたい人におすすめです。
業務委託では、業務委託元の企業との相談次第で、働く時間を自分で調整することができます。
たとえば、
- 水曜〜日曜の仕事をして、月曜と火曜を休みにする
- 12時〜20時を出勤時間にする
のような自由な働き方が可能です。
おすすめな人②:能力やスキルに自信があって、しっかり稼ぎたい人
パーソナルトレーナーの業務委託は、能力やスキルが高く、お客様の獲得に自信があって、しっかり稼ぎたい人におすすめです。
パーソナルトレーナーの業務委託では、セッション数や物販の実績などに応じて、給料が決まります。
お客様をたくさん獲得できれば、パーソナルジム正社員よりも大きく稼ぐことができます。
その代わり、お客様を獲得できなければ、収入は得られないというリスクもあります。
おすすめな人③:お客様とのセッションにだけ集中したい人
パーソナルトレーナーの業務委託は、お客様とのセッションにだけ集中したい人におすすめです。
パーソナルジム施設の運営や集客は、契約する企業がやってくれるので、業務委託パーソナルトレーナーはお客様とのセッション(トレーニング)にだけ集中することができます。
業務委託パーソナルトレーナーがおすすめでない人
業務委託のパーソナルトレーナーがおすすめではない人は、次のとおりです。
- 能力やスキルに自信がない人
- 毎月安定した収入を得たい人
おすすめでない人①:能力やスキルに自信がない人
パーソナルトレーナーの業務委託は、能力やスキルに自信がない人にはおすすめではありません。
業務委託パーソナルトレーナーの給料は、セッション数に応じて決まります。経験不足で、能力やスキルが未熟な場合、お客様を獲得することができないので、収入が安定しないリスクがあります。
おすすめでない人②:毎月安定した収入を得たい人
パーソナルトレーナーの業務委託は、会社員のように毎月安定した収入を得たい人にはおすすめではありません。
繰り返しですが、業務委託パーソナルトレーナーの給料は、セッション数や物販の実績に応じて決まります。お客様を多く獲得できれば、それだけ収入は高くなりますが、お客様を獲得できなければ、収入は安定しません。
安定した収入を得たい場合は、大きくは稼げませんが、パーソナルジムの正社員として働く方が合っているといえます。
パーソナルトレーナーの業務委託に関するよくある質問
パーソナルトレーナーの業務委託に関するよくある質問にお答えします。
- パーソナルトレーナー業務委託は未経験からでもできる?
- パーソナルトレーナー業務委託は副業でもできる?
- パーソナルトレーナー業務委託の集客はどうやるの?
Q パーソナルトレーナー業務委託は未経験からでもできる?
パーソナルトレーナーの業務委託は、未経験では難しいです。
パーソナルジムが業務委託の求人を出す場合、応募条件はパーソナルトレーナーの経験者であることがほとんどです。
なぜなら、業務委託では「お客様とのセッション(トレーニング)という仕事」をパーソナルトレーナーに請け負ってもらうので、未経験のパーソナルトレーナーにはできないからです。
ただし、企業内で研修制度が充実している場合は、未経験のパーソナルトレーナーを研修で育成してから、業務委託契約を結ぶケースもまれにあります。
Q パーソナルトレーナー業務委託は副業でできる?
パーソナルトレーナーの業務委託は副業でできます。
たとえば、平日の日中は会社員をしながら、平日夜や土日だけに、副業の業務委託パーソナルトレーナーとして活動が可能です。
副業でパーソナルトレーナーになる方法では、副業パーソナルトレーナーになる具体的な方法やメリット・デメリットを解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
Q パーソナルトレーナー業務委託の集客はどうやるの?
パーソナルトレーナーの業務委託の場合、集客は契約しているパーソナルジムが行ってくれます。
ただし、集客したお客様を担当できるかどうかは、そのジムで働くパーソナルトレーナーのあいだで競争があります。お客様にとくに希望がない場合は、新規のお客様を付けてもらえることもありますが、お客様から指名をもらうには、実績を積んでいる必要があります。
また、新規で担当したお客様からリピートしてもらうには、お客様に満足してもらえるだけの能力・スキルが必要になります。
まとめ:パーソナルトレーナーの業務委託は実力のある方におすすめ
パーソナルトレーナーの業務委託とは、個人事業主としてパーソナルジムやフィットネスクラブと業務委託契約を結んで働く形態のことです。
自由な働き方ができて、実力次第では大きく稼げる可能性がある一方で、経験が浅い方だと、収入が不安になるリスクもあります。
パーソナルジムで経験や実績をある程度積んで、自分の実力でもっと収入を伸ばしたい、という方には、パーソナルトレーナーの業務委託はおすすめです。
本記事は以上になります。
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