パーソナルトレーナーは将来性がない、というのは本当でしょうか?
本記事では、現役パーソナルトレーナーである筆者(NSCA-CPT)が、パーソナルトレーナーの将来性について徹底解説しました。
結論からいえば、将来性は悪くはありません。なぜなら、パーソナルトレーナーへの需要は今後もあり続けて、一部の分野では需要はより高くなるからです。
もちろん、パーソナルトレーナーのあいだで競争はありますが、数が飽和しているわけではありません。そのうえで、あなた次第で差別化をして将来性を高めることは可能ですので、その方法もご紹介します。
その他、パーソナルトレーナーの「働き方」による将来性の違いも解説しています。
パーソナルトレーナーの将来性に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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次のようなメリットがあります。
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パーソナルトレーナーに将来性はない?
パーソナルトレーナーの将来性について、需要の観点から見ていきます。
結論からいえば、将来性を心配する必要はないといえます。パーソナルトレーナーへの需要はこの先もあり続けて、社会におけるパーソナルトレーナーの役割はさらに重要になっていくと考えられます。
日本フィットネス産業協会によれば、パーソナルトレーニングを含めたフィットネス産業の市場規模は、コロナ禍で一時的に小さくはなったものの、2012年以降はずっと拡大傾向にありました。(参考:日本フィットネス産業協会)
コロナ禍で市場規模は一時的に縮小したものの、市場規模は回復してきています。
パーソナルトレーナーに将来性があると言える理由は、次の5つです。
- ダイエットや美容の需要はなくならない
- 健康維持のための需要は増える
- 仕事のパフォーマンスを上げる需要が増えてくる
- オンラインパーソナルトレーニングの需要は高まり続ける
- 健康経営の需要が新たに増える
それぞれの将来性を解説していきます。
①ダイエットや美容の需要はなくならない
ダイエットや美容を目的としたパーソナルトレーナーの需要は、今後も重要なものであり続けます。
「痩せて魅力的になりたい」「美しくなりたい」という思いは、人間(とくに女性)が持つ根本的な欲求なので、将来的にずっと無くなることはありません。
私たちのまわりには、残念ながら、太りやすい食品による誘惑にあふれています。お菓子、ケーキ、清涼飲料水、甘い飲み物、揚げ物、ピザ、ラーメンなどです。
移動手段やインターネットの発達のおかげで便利になりましたが、人が運動する機会はさらに減りました。
つまり、よほど意識して努力しなければ、簡単に太ってしまう社会環境に、私たちは生きているのです。
このような社会環境において、適切な運動と食事の指導ができるパーソナルトレーナーの役割は、よりいっそう重要なものになると考えられます。
②健康維持のための需要は増える
健康維持のための需要は、今後もますます高まり続けると考えられます。
理由の1つは、シニア世代(60歳以上)の増加です。
総務省統計局によれば、総人口における高齢者(65歳以上)の割合は、1985年には10%だったのが、2005年には20%を超え、2018年には28.1%になりました。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、この割合は今後も上昇し続け、2040年には35.3%になると見込まれています。(参考:総務省統計局)
年 | 高齢者(65歳以上)の割合 |
---|---|
1985年 | 10% |
2005年 | 20% |
2018年 | 28.1% |
2040年 | 35.5%(推計) |
「健康に長生きしたい」「生活のクオリティを下げずに人生を楽しみたい」という思いは、誰もが持つ根本的な欲求です。そのために運動習慣は不可欠なものです。
実際、シニア世代によるパーソナルジムの利用は増えており、大きなビジネスチャンスと考えられています。その証拠に、たとえばライザップはシニア世代への集客に力を入れています。
誰もが健康に暮らせる社会をつくるために、パーソナルトレーナーが果たせる役割は大きく、将来性は期待できるものといえます。
③仕事のパフォーマンスを上げる需要が増えてくる
トレーニングの効果は、ダイエットは健康維持だけではありません。脳の働きを高めたり、健全なメンタルを維持する効果があることもわかっています。
そのため、仕事で最高のパフォーマンスを出したいと考える経営者やビジネスパーソンが、パーソナルトレーナーをつけることは増えています。
ビジネスの競争はますます激しくなってきています。ビジネスパーソンも、アスリートのように常に最高のパフォーマンスを発揮しないと生き残っていけないという時代です。
アスリートがパーソナルトレーナーをつけるように、経営者やビジネスパーソンがパーソナルトレーナーをつけるという考え方が、今後はさらに一般的になると考えられます。
④オンラインパーソナルトレーニングの需要は高まり続ける
オンラインでパーソナルトレーニングを受ける人は増えており、需要は今後も高まり続け、将来性は高いといえます。
実際、ここ数年でオンラインパーソナルトレーニングを提供する企業は増えました。大手パーソナルジムも、オンラインコースを提供していることが多いです。
オンラインパーソナルトレーニングへの需要の高まりは、人々がビデオ通話などのオンラインによるコミュニケーションに慣れた、というのも大きな理由の1つだと考えられます。
仕事が忙しくてジムに通う時間がない方、子育て中の方、地方に住んでいて近くにパーソナルジムがない方など、オンラインパーソナルを必要とする人はこれからも増えると考えられます。
⑤健康経営の需要が新たに増える
「健康経営」とは、企業が従業員の健康管理を戦略的に行うことで、従業員の活力や生産性を高め、業績を向上させる取り組みのことです。
健康経営は経済産業省が推進しており、平成26年に「健康経営優良法人認定制度」をつくりました。健康経営優良法人として認定されれば、「従業員の健康管理に取り組んでいる企業」として社会的に評価を受けることができます。(参考:経済産業省)
そのため、健康経営への取り組みとして、企業が福利厚生のためにパーソナルジムと契約することが増えおり、この需要は今後も高まり続けると考えられます。
実際、健康経営向けのサービスに力を入れるパーソナルジムは増えています。
健康経営はまだ比較的新しいもので、高い将来性が期待されている分野です。
パーソナルトレーナーの働き方による将来性
パーソナルトレーナーの働き方には、「正社員」「フリーランス(個人事業主)」「独立開業」の主に3つがありますが、それぞれの将来性は次のとおりです。
- パーソナルジムの正社員は比較的安定している
- フリーランス(個人事業主)なら高い年収を目指せる
- パーソナルジムを独立開業はさらに高い年収を目指せる
以下で詳しく解説していきます。
①パーソナルジムの正社員は比較的安定している
パーソナルジムに正社員で働く場合、将来性はとくに心配はいらないでしょう。
基本的に人手不足なことが多いので、正社員の求人は問題なく見つかることが多いです。未経験であっても、採用後に育成してくれるパーソナルジムも多いです。
未経験の方が経験を積むために、パーソナルジムの正社員は理想的な環境ですし、必ず通らなければいけない道ともいえます。
年収については、最初はそこまで高くありませんが、経験を積めば、実績に応じて(歩合制)給料は高くなることが多く、将来的には管理職として出世する道もあります。
ただし正社員なので安定はしていますが、ある一定以上に年収は上がりません。平均年収は400~500万円程度と言われており、高くても500~600万円を超えることは難しいです。
年収1,000万円のような高収入を目指すには、フリーランスや独立開業を考える必要があります。
未経験者30代からパーソナルトレーナーになる方法は、以下の記事で解説しています。
②フリーランス(個人事業主)なら高い年収を目指せる
フリーランス(個人事業主)のパーソナルトレーナーとして働く場合、ジムの正社員よりも、さらに高い年収を目指すことができます。
実力次第では、年収は500~600万円を超えて、1,000万円を目指すことも可能です。
なぜなら、セッション料金を自分で決めることができて、セッション数がそのまま自分の売上になるからです。
また、ジムの正社員と違って、場所に縛られず、比較的自由な働き方ができるのもメリットです。
ただし、パーソナルジムの正社員と違って、お客様は自分で集めなければいけません。集客がうまくいけば稼ぐチャンスがある分、集客がうまくいかなければ収入が不安定になるリスクもあります。将来性としてはミドルリスク・ミドルリターンともいえます。
自分で集客するのではなく、パーソナルジムとの業務委託契約という形でパーソナルトレーナーをすることもできます。こちらの方が安定した働き方にはなりますが、年収は少し低くなります。
個人(フリーランス)と業務委託契約の両方で、バランスをとるという働き方も可能です。いずれにせよ、あなたの志向にあった働き方を選ぶことが大切です。
パーソナルトレーナーで年収1,000万円を稼ぐ方法は、以下の記事で解説しているので、よければ参考にしてください。
③パーソナルジムを独立開業すればさらに高い年収が目指せる
パーソナルジムを独立開業する場合は、さらに高い年収を目指すことができます。
フリーランスと違って、ジムを持つので、スタッフを雇用して、規模を拡大することができます。1店舗目がうまくいけば、それを横展開して、2店舗、3店舗を増やせるので、収入は青天井に増やせます。
そういう意味では、高い将来性があるといえます。
一方で、もちろん難易度は高いです。パーソナルトレーナーとしての知識・技術だけでなく、マーケティングやマネジメントなど経営者としての能力も求められます。
家賃や設備費、広告費もかかるので、集客がうまくいかなければ、赤字になるリスクもあります。競合他社もいるなかで、経営者として成長しつづけなければいけません。
パーソナルジムの開業は、いわばハイリターン・ハイリターンの働き方といえます。
パーソナルトレーナーの将来性の不安に関するよくある質問
パーソナルトレーナーの将来性について、よくある質問にお答えします。
- パーソナルトレーナーになるのはおすすめできる?
- パーソナルトレーナーは激務で休みがない?
- パーソナルトレーナーの離職率は高い?
- パーソナルトレーナーは飽和している?
Q パーソナルトレーナーになるのはおすすめできる?
筆者の意見では、パーソナルトレーナーには向き不向きがあると思います。
たとえば、「人とのコミュニケーションが苦手」「勉強があまり好きではない」という方は、パーソナルトレーナーに向いているとは言えないので、やめておいた方がよいかもしれません。
詳しくはパーソナルトレーナーはやめとけ?で解説しているので、よければ参考にしてみてください。
Q パーソナルトレーナーは激務で休みがない?
パーソナルジム社員であれば、基本的には週2日の休みがあります。(人手不足のジムだと、休みは減るかもしれません)
フリーランスのパーソナルトレーナーであれば、休みがあるかどうかは自分次第です。
フリーランスは収入がセッション数と直結しているので、休みを減らしてセッションを増やせば、それだけ稼げることになります。
一方で、ワークライフバランスを優先して、セッション数をおさえて、週2日休むことも可能でしょう。
パーソナルジムを独立開業した場合も同様に、基本的には自分の頑張りと収入は直結するので、とくに開業して初期の頃は激務になるケースが多いです。
ジムの経営が軌道に乗って、スタッフに仕事を任せられるようになれば、比較的休みも取りやすくなるでしょう。
Q パーソナルトレーナーの離職率は高い?
パーソナルトレーナーは好きでなる人が多い職業なので、パーソナルトレーナー自体が、離職率の高い仕事というわけではありません。
公式のデータがあるわけではないですが、パーソナルトレーナーの離職率の高さはパーソナルジムによって変わります。
給料が安いうえに、仕事のやりがいを感じられず、さらに人間関係の良くないパーソナルジムだと、当然ながら離職率は高くなります。
逆に、働きに見合った給料がもらえて、仕事にやりがいを感じられ、さらに人間関係の良いパーソナルジムなら、離職率は低くなるでしょう。
また、離職に関連して、パーソナルトレーナーは何歳まで働けるのか、気になる人もいると思います。
詳しくはパーソナルトレーナーは何歳まで働ける?で解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
Q パーソナルトレーナーは飽和している?
パーソナルトレーナーの求人は常に一定数あるので、その点では飽和しているといえません。
パーソナルトレーナーになる人は毎年増えますが、同じように引退したり、他の職業に転職したりする人もいます。
また、すでにご説明のとおり、パーソナルトレーナーへの需要は今後もあり続けると期待できます。なので、「パーソナルトレーナーが飽和していて、仕事が全然見つからない」という状態に短期的にはならないと筆者は考えます。
パーソナルトレーナーとして将来性を高める方法
パーソナルトレーナーへの需要は無くならない一方で、パーソナルトレーナーの数が増えれば、当然ながら競争が生まれます。
未経験者を採用する求人はまだまだあるので、パーソナルトレーナーの数が飽和しているわけではありませんが、あなた次第で将来性をさらに高めることは可能です。
パーソナルトレーナーとして将来性を高める方法は、次の4つです。
- パーソナルトレーナー資格を取得する
- 実績を出しているパーソナルジムで経験を積む
- 独自性を打ち出す
- マーケティング・マネジメントを学ぶ
それぞれ解説していきます。
方法①:パーソナルトレーナー資格を取得する
パーソナルトレーナーとして将来性を高める第一歩は、パーソナルトレーナー資格を取得することです。
じつは、パーソナルトレーナー資格がなくても、パーソナルトレーナーを名乗ることはできます。しかし、パーソナルトレーナー資格があった方が、お客様から見て信頼材料の1つになりますし、ジムで採用されるときには一定の知識レベルがあるという証明になります。
このように、資格があれば将来性を高めることができます。
パーソナルトレーナー資格にはいくつか種類がありますが、有名なものは以下の3つです。
- NESTA認定パーソナルトレーナー(NESTA-PFT)
- NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
- NASM認定パーソナルトレーナー(NASM-CPT)
下にいくほど取得難易度は上がりますが、基本的にはNESTA-PFTかNSCA-CPTを持っていれば問題ありません。場合によっては、日本でより認知度の高いNSCA-CPTを持っている方が良いかもしれません。
パーソナルトレーナー資格のおすすめ種類一覧では、おすすめののパーソナルトレーナー資格を紹介しているので、よければ参考にしてみてください。
方法②:実績を出しているパーソナルジムで経験を積む
実績を出している人気パーソナルジムで働くことができれば、お客様がたくさんいるので、それだけ多くの経験を積むことができます。
また、優秀な先輩トレーナーから直接指導してもらえることがあったり、パーソナルジムとして実際に実績を出しているリアルな運営ノウハウを学ぶことができるでしょう。
さらに、「◯◯ジムで△年の経験・実績がある」という肩書ができるので、転職やフリーランスとして働くときにも有利になり、将来性を高めることができます。
未経験からいきなり人気ジムに就職するのは難しいこともありますが、最初は小規模のジムで経験を積んで、そこから転職するというのもありでしょう。
方法③:独自性を打ち出す
パーソナルトレーナーとして働く以上、当然ながら他のパーソナルトレーナーとの競争があります。
数いるパーソナルトレーナーのなかから自分を選んでもらうには、他のパーソナルトレーナーとは違った独自性が必要になります。
たとえば、「女性専門」「男性向け筋肥大が得意」「食事指導が強み」「シニア向けトレーニングの経験が豊富」など、さまざま切り口で独自性は作ることができます。
もしコミュニケーションが得意なら、「◯◯トレーナーとなら楽しいから続けられる」というポジションを確立することもできます。自分の強みを活かすという視点も大切です。
独自性があれば、他のパーソナルトレーナーとの差別化になり、将来性が高まることになります。
方法④:マーケティング・マネジメントを学ぶ
マーケティング・マネジメントを学べば、パーソナルジムを開業し、規模を拡大させることができます。
また開業だけでなく、フリーランスのパーソナルトレーナーとして集客するときにマーケティングは不可欠ですし、ジムの正社員として管理職になるときにマネジメントスキルが必要です。
パーソナルトレーナーとしての知識・スキルは高いけれど、マーケティング(集客)やマネジメント(経営)はできない、というトレーナーはじつはけっこう多いです。
マーケティング・マネジメントを学ぶことで、他のパーソナルトレーナーとの差別化になり、将来性を高めることができます。
将来性を高めるならパーソナルトレーナー養成スクールがおすすめ
未経験からパーソナルトレーナーを目指すには、主に次の2つの方法があります。
- スポーツトレーナー系専門学校に行く
- パーソナルトレーナー養成スクールに行く
スポーツトレーナー系専門学校は、2~3年の通学が必要で、学費は200万円を超えます。社会人の方にはおすすめできません。現在、高校生の方は専門学校を検討すると良いでしょう。
社会人から最短でパーソナルトレーナーを目指すのであれば、養成スクールに通うのがおすすめです。人気のパーソナルジムが運営するスクールなので、即戦力になれる教育が受けられます。
期間は約6ヶ月、週1回土日に通う形式が多いので、働きながら通えます。学費は50~70万円と低くおさえることができ、パーソナルトレーナー資格が取得できて、就職までサポートしてもらえます。
パーソナルトレーナー養成スクールのおすすめは、以下の記事で紹介しているので、よければ参考にしてください。
まとめ:パーソナルトレーナーの将来性は悪くはない!
本記事の内容をまとめておきます。
パーソナルトレーナーへの需要は、今後もあり続けるので、将来性に心配はいらないといえます。次の5つの需要があります。
- ダイエットや美容の需要はなくならない
- 健康維持のための需要は増える
- 仕事のパフォーマンスを上げる需要が増えてくる
- オンラインパーソナルトレーニングの需要は高まり続ける
- 健康経営の需要が新たに増える
パーソナルトレーナーは働き方によって将来性が変わります。次のとおりです。
- パーソナルジムの正社員は比較的安定している
- フリーランスのパーソナルトレーナーは高い年収を目指せる
- パーソナルジム開業はさらに高い年収を目指せる
パーソナルトレーナーの将来性は、あなた次第で高めることが可能です。その方法は次の4つです。
- パーソナルトレーナー資格を取得する
- 実績を出しているパーソナルジムで経験を積む
- 独自性を打ち出す
- マーケティング・マネジメントを学ぶ
未経験から最短でパーソナルトレーナーを目指すならパーソナルトレーナー養成スクールがおすすめです。
本記事は以上になります。
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