パーソナルトレーナー資格は、学校やスクールに通わず、独学でも取得できるのでしょうか?
本記事では、現在パーソナルトレーナー(NSCA-CPT資格保有者)である筆者が、パーソナルトレーナー資格の独学について詳しく解説しました。
結論からいえば、パーソナルトレーナー資格は独学で取得できます。筆者は独学でパーソナルトレーナー資格を取得したので、その経験からわかった効果的な独学方法もご紹介します。
ただし、独学にはメリットもあれば、デメリットもあります。両方を踏まえたうえで、自分に合った勉強方法を選択することが大切です。
これからパーソナルトレーナー資格の取得を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
未経験から最短でパーソナルトレーナーを目指すなら、「パーソナルトレーナー養成スクール」がおすすめです。
次のようなメリットがあります。
- 社会人でも働きながら通える
- パーソナルトレーナー資格が短期で取れる
- 2~6か月で卒業できる
- コスパが良い
- 現役の一流トレーナーが直接指導
- 就職率90%以上
パーソナルトレーナー養成スクールおすすめ5選では、16社から厳選したおすすめスクールや、失敗しない選び方を解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
パーソナルトレーナー資格は独学でとれる?
結論からいうと、パーソナルトレーナー資格をとるだけなら、独学でも可能です。理由は次の3つです。
- 学歴要件は高校卒業以上が多い
- 試験問題は公式テキストから出題される
- 実技問題の対策もテキストや動画で独学できる
ただし注意が必要なのは、独学で資格は取れても、そこからパーソナルトレーナーになるのはまた別の話ということです。最終的にパーソナルトレーナーになるには経験者の指導を受けるのが望ましいです。
それぞれ解説していきます。
理由①:学歴要件は高校卒業以上が多い
多くのパーソナルトレーナー資格の学歴要件は「高校卒業以上」です。
あらためて大学や専門学校に通ったりする必要はないので、独学でも取得が可能です。
ただし学校ではなく、短期の「講座」を受けることが受験要件になっているパーソナルトレーナー資格はあります。
理由②:試験問題は公式テキストから出題される
試験は「公式テキスト(教科書)」の範囲から出題されます。
公式テキストはだれでも購入できるので、公式テキストの内容を理解して、試験問題が解けるようになれば、独学でも試験に合格できるようになっています。
理由③:実技問題の対策もテキストや動画で独学できる
試験は基本的に筆記のみですが、トレーニング実技の問題が出題されます。
トレーニング実技の問題に回答できるようになるには、一定のトレーニング経験は必要です。ですが、試験合格に必要なレベルの実技経験なら、教科書や動画を見ながら、独学できないことはありません。
ただし、パーソナルトレーナーになるには経験者の指導を受けた方がいい
ただし注意が必要なのは、独学で資格は取れても、パーソナルトレーナーになれるかどうかは、また別の話だということです。
なぜなら、パーソナルトレーナーになるには実践経験が必要だからです。
パーソナルトレーナー資格で手に入るのは、最低限必要な知識だけで、実践経験は得られません。
一方で、実際のパーソナルトレーニングの現場では、
- 手本になるフォームでエクササイズ・トレーニングができる
- それを適切に指導できる
- そのような指導経験を多く積んでいる
といったことが必要です。
これらを独学で身につけることは難しく、経験者から指導を受ける必要があります。
経験者から実技を学ぶには「パーソナルトレーナースクール」に通うのがおすすめです。短期で資格が取れて、就職サポートも受けられるパーソナルトレーナースクールをまとめているので、参考にしてみてください。
パーソナルトレーナー資格を独学でとるメリット・デメリット
パーソナルトレーナー資格を独学でとるメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット |
---|
費用を少なくできる 自分のペースで勉強ができる |
デメリット |
---|
実践経歴を得られない 就職サポートがない 試験合格まで時間がかかる モチベーションの維持がむずかしい |
ここでは、「独学」と「パーソナルトレーナー養成スクール」に通う場合を比較しながら、それぞれ解説していきます。
メリット・デメリットの両方を踏まえたうえで、自分には独学が合っているのか、トレーナースクールに通う方が合っているのか、を選択する必要があります。
独学のメリット①:費用を少なくできる
独学の一番大きなメリットは、費用を少なくできることです。
パーソナルトレーナー養成スクールや通信講座を活用すると、数十万の費用がかかります。
独学なら、最低限の教材費用と受験費用だけ支払えばよいので、10~15万円前後の費用で済みます。
パーソナルトレーナー資格にかかる費用では、資格毎の具体的な費用を解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
ちなみに、ユーキャンではパーソナルトレーナー資格は取れません。パーソナルトレーナー資格はユーキャンで取れる?で詳しく解説しています。
独学のメリット②:自分のペースで勉強ができる
独学の2つめのメリットは、自分のペースで勉強ができることです。
パーソナルトレーナー養成スクールに通うと、決められた期間に、校舎に毎週通学する必要があります。(土日に開校してることが多いので、働きながら通えますが)
独学なら、ゆっくり時間をかけて、自分の好きなタイミングで、好きな場所で、勉強を進めることができます。
独学のデメリット①:実践経験を得られない
独学の1番大きなデメリットは、実践経験を得られないことです。
試験では、トレーニング実技に関する問題も出題されます。
たしかに教科書や動画を使って、独学で実技の勉強をすることは可能ですが、そのトレーニングのやり方で、本当に正しいのかどうか、自分で判断するのは難しいことが多いです。
またパーソナルトレーナーとして現場に出るためには、指導経験も必要です。しかし、独学でパーソナルトレーナー資格を取得するだけでは、指導経験を得ることはできません。
パーソナルトレーナー養成スクールなどに通えば、現場の第一線で活躍するトレーナーの指導のもとで、正しいトレーニング方法や、クライアント指導のやり方が身につくので、この差は大きいといえます。
独学のデメリット②:就職サポートがない
独学のデメリットの2つ目は、就職サポートがないことです。
独学がパーソナルトレーナー資格を取得した場合、パーソナルジムへの就職は自分でおこなう必要があります。企業を探して、履歴書・職務経歴書を作成し、面接での質問への回答を準備して、答える練習をする、というのはなかなか大変は作業です。
パーソナルトレーナー養成スクールであれば、資格を取得をしたうえで、就職サポートが受けられます。企業を紹介してもらえて、就職カウンセラーが履歴書添削や模擬面接などをサポートしてくれます。
独学のデメリット③:試験合格まで時間がかかる
独学の3つ目のデメリットは、試験合格までに時間がかかることです。
パーソナルトレーナー試験の出題範囲は広く、教科書はとても分厚いものが多いです。これを一から全て読んで理解しようとすると、途方も無い時間がかかってしまいます。
重要な事実として、資格試験の問題は、教科書のなかでも、ある特定の範囲から集中して出題されます。
この点、パーソナルトレーナー養成スクールは、過去に試験合格者をたくさん輩出しているので、試験対策のノウハウがたくさんあります。どこに集中して学べば試験に合格するのかわかっているので、効率よく学ぶことができます。
独学だと、試験に出やすい部分を、自分で予想して学ぶ必要があります。公式の試験問題集などがあるので、ある程度は試験に出やすい範囲がわかるのですが、自分で勉強するとなると、どうしても時間がかかりやすくなります。
また勉強する範囲を間違うと、試験に落ちたり、時間を無駄にしてしまうリスクがあります。
独学のデメリット④:モチベーションの維持が難しい
独学の4つ目のデメリットは、モチベーションの維持が難しいことです。
パーソントレーナー試験を独学するとなると、すでにどれだけ知識を持っているかにもよりますが、半年〜1年ぐらいはかかります。半年〜1年のあいだ、自分一人でモチベーションを維持しながら勉強を続けるのは、簡単ではありません。
パーソントレーナー養成スクールだと、同じ目標に向かって勉強する仲間がいるので、モチベーションが上がりやすく、またわからないところを教え合ったりして、助け合うこともできます。
なお、そもそも資格は必要なのかという話は、パーソナルトレーナー資格はいらない?で解説しているので、興味のある人は参考してみてください。
また独学のデメリットをカバーするには、パーソナルトレーナースクールに通うのも1つです。
パーソナルトレーナー資格の独学方法
筆者が「NSCA認定パーソナルトレーナー資格(NSCA-CPT)」を取得したときの経験をもとに、パーソナルトレーナー資格の独学方法をご紹介します。
ちなみに筆者は、スポーツ系専門学校後にトレーナーの仕事をしていましたが、辞めて、5年以上、別の仕事をしていました。それからまたトレーナーになったときに、3ヶ月ぐらいでNSCA-CPTを独学で取得しました。
パーソナルトレーナー資格を独学するときに、注意が必要なのは、教科書を一から読んではいけない、ということです。
教科書は分厚いので、一から全て読むような勉強方法だと、時間がかかり過ぎてしまいます。
なるべく短期間で、資格試験に合格するには、戦略的に勉強をする必要があります。そのための方法が次の3つです。
- まず公式問題集を解いて、理解してない部分を把握する
- 理解していない部分に絞って、公式テキストを読んで理解する
- トレーニングを実践して理解する
それぞれ解説していきます。
なお、この独学方法はNSCA-CPTを想定して解説していますが、他の資格試験でも基本的な考え方は同じですので、参考にしてもらえると思います。
パーソナルトレーナーの勉強本・資格本では、独学に必要な本を紹介しています。
①まず公式問題集を解いて、理解してない部分を把握する
パーソナルトレーナー資格の勉強をはじめるときは、まず公式問題集から始めるべきです。公式テキスト(教科書)から読み始めてはいけません。
なぜなら、試験問題は、公式テキストのなかでも特定の部分から出題されるからです。公式テキストを一から全て読んでいては、時間がかかり過ぎるうえに、試験に出ない部分も勉強して時間を無駄にしてしまうからです。
では、公式テキストのどこから試験問題が出るのかというと、公式問題集で問題になっている部分からです。
具体的な勉強方法として、まずは公式問題集を解いて、自分が理解していない問題にチェックをつけておきます。
自分が完璧に理解している問題は、もう勉強する必要がないので、チェックはつけなくてOKです。
また、公式問題集だけでなく、公式テキストの章末に掲載されている問題についても、同じように対応します。
②理解していない部分に絞って、公式テキストを読んで理解する
次に、自分が理解してない部分だけに絞って、公式テキストを丁寧に読んで理解していきます。
このとき、公式テキストに付箋を貼っておくとよいでしょう。
こうすることで、公式テキストのなかでも、自分が「読まなくていい部分」を明確にして、「読むべき部分」を絞ることで、無駄を省くことができます。(公式テキスト全体のうち、半分以下には絞れます。それでもそこそこ多いですが)
「読むべき部分」は、理解して、記憶ができるまで、3回でも5回でも繰り返し読み込みます。
理解・記憶ができたら、もう一度、公式問題集を解いてみて、理解度を確認します。理解できていなかったら、再度公式テキストを読んで理解します。
このサイクルを繰り返して、公式問題集と公式テキストの章末問題をすべて理解・記憶できた状態になったら、試験に挑戦します。
③トレーニングを実践して理解する
公式問題集と公式テキストで勉強をするのと平行して、自分でトレーニングを実践することも大切です。
なぜなら、トレーニング実技に関する問題が多く出題されるからです。たとえば、あるエクササイズ・トレーニング方法に対する、正しいフォームや、使われている筋肉、トレーニング効果などを問うような問題です。
このような問題は、教科書を読むだけでは、理解や記憶が難しいです。逆に、自分の体を使って実際にやってみれば、すぐに理解できて、記憶にも定着しやすくなります。
トレーニングについては、教科書に「エクササイズテクニック」の章があるので、そこに掲載されているトレーニング・エクササイズはひと通り実践することが望ましいです。
以下のように、さまざまなトレーニング・エクササイズがあります。
- ストレッチ
- 自重トレーニング
- スタビリティ・エクササイズ
- レジスタンストレーニング
- 有酸素性トレーニング
- プライオメトリックトレーニング
- スピードトレーニング
教科書を読んで、正しいフォームで、効果を与える部位を意識しながら、実践していきます。
独学でとれるパーソナルトレーナー資格3選
じつは、独学で取得できるパーソナルトレーナー資格は、けっこうたくさんあります。(ただし、養成講習会の受講が要件になっている資格はありますが)
日本で認知度が高く、独学でとれるおすすめのパーソナルトレーナー資格には、以下の3つがあります。
- NESTA認定パーソナルトレーナー(NESTA-PFT)
- NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
- NASM認定パーソナルトレーナー(NASM-CPT)
それぞれ解説していきます。
パーソナルトレーナー資格のおすすめ種類一覧では、「パーソナルトレーナー資格の一覧」や「どれがいいか」を解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
①NESTA認定パーソナルトレーナー(NESTA-PFT)
NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)はアメリカ・カリフォルニア州に本拠地を置くパーソナルフィットネストレーナーの資格認定団体です。21年現在で75,000名を超えるメンバーとパーソナルトレーナーが、80ヶ国で活躍しています。
NESTA-PFTは、体に関する幅広い知識・トレーニング全般に関する偏りのない知識・コミュニケーション対応力・ビジネススキルをバランスよく身につけられる資格です。
NESTA-PFTの基本情報
費用 | 合計 72,500円(税込): 教材費 13,600円 事前講習受講料 15,000円 認定資格受験料 7,500円 受験登録・合格後資格登録料 36,400円 |
要件 | ・NESTA JAPAN(あるいは医学映像教育センター)からPFTテキストを購入済みである ・CPR・AEDの技能を習得・保持している ・日本国籍または、日本での就労可能な在留資格を有する者 ・満18歳以上で、高等学校卒業以上またはNESTAが認定する教育カリキュラム修了者 および次の4つのうち、1つに該当 ① 1年以上のパーソナルトレーナー・インストラクターなどの実務経験 ② 1年以上の運動部指導、フィットネス企業勤務経験 ③ 体育系または、医療系の大学・専門学校を卒業 ④ NESTAの認定する養成講座、養成コース(認定校・認定アカデミー含む)の修了者 |
NESTA-PFTの独学方法
学歴要件の①〜③に該当する場合は、教材を購入して、独学をすれば、資格試験を受けることができます。
学歴要件の①〜③に該当しない場合は、④ NESTAの認定する養成講座・養成コース(認定校・認定アカデミー含む)を修了する必要があります。
NESTAが公式で提供する養成講座(「ゼミコース」または「WEBコース」)を受講すれば、独学をして試験を受けることができます。
②NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)はアメリカ・コロラド州に本拠地を置く、ストレングストレーニングとコンディショニングに関する国際的な教育団体です。21年現在で
55,000名を超える資格認定者が、78ヶ国で活躍しています。
NSCA-CPTは、健康と体力のニーズに関して、評価・動機づけ・教育・トレーニングやコンディショニング全般の指導を行う、優れた専門的能力をもつ人材を認定する資格です。
NSCA-CPTの基本情報
費用 | 合計 59,200円(税込): 受験料 46,000円 会員費用 13,200円 その他: 教科書 11,880円(税込) 問題集セット 9,900円(税込) |
要件 | ・NSCAジャパン会員である ・満18歳以上 ・高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験(旧:大学入学検定試験)合格者 ・有効なCPR/AEDの認定者 |
NSCA-CPTの独学方法
受験資格を満たしていれば、NSCA公式の教材で独学をして、資格試験を受けることができます。
③NASM認定パーソナルトレーナー(NASM-CPT)
NASM (全米スポーツ医学アカデミー)は、アメリカ・アリゾナ州に拠点を置くパーソナルトレーナーの教育団体です。これまでに140万名がNASMの教育プログラムを受講し、100ヶ国以上でNASMトレーナーが活躍しています。世界最大のトレーナー団体です。
NASM認定パーソナルトレーナー(NASM-CPT)は、科学的根拠に基づいたプログラムで、NASM独自の最適性能トレーニング(OPDモデル)を身につけることができる資格です。OPDモデルは、安定性・筋力・パワーの3つのレベルで構成され、クライアントの各フェーズに合わせたトレーニングを提供することが可能になります。
NASM-CPTの基本情報
費用 | 合計 41,800円(税込): 教材・初回受験費用 41,800円 |
要件 | ・18歳以上 ・高等学校卒業以上 |
NASM-CPTの独学方法
NASM公式の教材(セルフスタディ)で独学をして、資格試験を受けることができます。
参考:NASM 公式サイト
まとめ:パーソナルトレーナー資格の独学で取れるけどデメリットも!
パーソナルトレーナー資格は独学で取得できるものの、パーソナルトレーナーになれるかどうかはまた別の話です。パーソナルトレーナーになるには経験者の指導を受けるのが望ましいです。
パーソナルトレーナー資格を独学で取得するメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット |
---|
費用を少なくできる 自分のペースで勉強ができる |
デメリット |
---|
実践経歴を得られない 就職サポートがない 試験合格まで時間がかかる モチベーションの維持がむずかしい |
時間をかけずに効率的にパーソナルトレーナー資格を取得するなら、「パーソナルトレーナー養成スクール」に通うのがおすすめです。
パーソナルトレーナースクールなら、社会人でも働きながら通えて、約2~6か月という短期で資格を取得できます。
また、現役の一流トレーナーから直接指導が受けれれるので「実践する力」が身につき、就職・独立開業までサポートしてもらえます。
パーソナルトレーナー養成スクールおすすめ5選では、16社から厳選したおすすめスクールを紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
本記事は以上になります。
コメント